私は今、配信用のマイクにダイナミックマイクを使っています。以前は別のマイクで配信していたのですが、環境音の問題にずっと悩まされていて、思い切って買い替えました。
買い替えるときに「ダイナミック」と「コンデンサー」の違いを調べまくったので、そのときの知識と実体験をまとめておきます。
ただ、この記事で一番書きたいのは違いの解説ではありません。調べれば違いはすぐ分かるのに、「じゃあ自分の部屋はどちらなのか」だけは最後まで分からなかった、という話です。
配信において、マイク(音質)は画質以上に重要です。多少映像が荒くても視聴者はあまり気にしませんが、声が割れていたり環境ノイズが入り続ける配信は、それだけで離脱の原因になります。
2つのマイクの決定的な違い
マイクには大きく分けて2つの種類があります。
- ダイナミックマイク: 頑丈で、周囲の余計な音(ノイズ)を拾いにくい。カラオケやライブハウスのボーカルでよく見かけるタイプ。
- コンデンサーマイク: 非常に繊細で高音質。レコーディングスタジオやプロのナレーション収録で使われるタイプ。
「高音質なコンデンサーの方がいいのでは?」と思うかもしれませんが、配信という環境では、そう単純にはいきません。
ダイナミックマイクの特徴
メリット
- 周囲のノイズ(生活音)を拾いにくい マイクの正面の音しか拾わない特性(指向性)が強いため、キーボードの打鍵音、PCのファン音、エアコンの音、隣の部屋の生活音などをカットしてくれます。私がダイナミックに乗り換えた最大の理由がこれです。
- 頑丈で壊れにくい 構造がシンプルなので、デスクからうっかり落としたり、湿気が多い部屋に置いたままにしても簡単に壊れません。
- 取り扱いが簡単で、価格も手頃 ファンタム電源を必要としないものが多く、USBでPCに直接挿すだけで使えるモデルも豊富です。
デメリット
- 口元にかなり近づける必要がある 遠くの音を拾うのが苦手なので、マイクと口の距離を数センチから10センチ程度に保つ必要があります。マイクアームはほぼ必須になります。
- 音の繊細さはコンデンサーに劣る 声の透明感や息遣いなどの細かいニュアンスは出にくく、少しモコッとしたラジオ的な声質になりやすいです。
コンデンサーマイクの特徴
メリット
- 高音質で、声がクリアに録れる 声の響きや透明感がしっかり録音できます。プロのラジオパーソナリティのようなリッチな声質を目指すなら、コンデンサーに分があります。
- 小さな声や遠くの音も拾える マイクから少し離れても声をしっかり拾ってくれるので、囁き声での配信でもクリアに届きます。
デメリット
- 環境音を高感度で拾ってしまう 配信初心者にとって最大の落とし穴です。静かだと思っていた部屋でも、PCの排熱ファン、室外機の音、遠くを走る車の音まで、あらゆる生活音を拾い上げてしまいます。
- 取り扱いがデリケートで壊れやすい 湿気や衝撃に弱く、雑に扱うとノイズが乗るようになります。また、オーディオインターフェースからの電源供給(ファンタム電源)が必須になるケースが多いです。
ここまでが調べれば分かる話です
ここまでは、どのサイトにも書いてあります。私も買う前に同じ内容を何度も読みました。
そして、どの記事も最後はだいたい同じ言葉で終わります。
自分の部屋の環境に合わせて選びましょう
この一文の前で、私は止まりました。
自分の部屋が「静かな部屋」なのか「ノイズの多い部屋」なのか、判定する方法が書かれていないからです。
冷蔵庫の音は聞こえます。でもそれは「気にならない程度」なのか「マイクが拾う程度」なのか。エアコンをつけると音はしますが、それは配信に乗るレベルなのか。基準がないので、判断のしようがありません。
しかも厄介なことに、自分の部屋の音は、自分が一番慣れています。 住んでいる人間にとって、生活音は「無音」として処理されています。静かかどうかを自己申告で判定するのは、たぶん一番向いていない立場です。
実際の決め手は、環境の判定ではありませんでした
では最終的に何で決めたのか。正直に書きます。
ノイズに弱い方で一度失敗していたからです。
以前使っていたマイクで環境音に悩まされ続けたという実績が、そのまま判断材料になりました。部屋を測ったわけでも、条件を整理したわけでもありません。痛い目を見た方向の逆を選んだ、というだけです。
これに気づいてから、「部屋の環境で選べ」というアドバイスの構造が見えました。
あれは、一度失敗した人にしか使えない基準です。 自分の部屋がどちらかを知る一番確実な方法は、実際にノイズを拾いやすいマイクを置いてみることだからです。これから初めて買う人が、買う前に使える情報ではありません。
だから、これから選ぶ人に私が言えるのはこうなります。判定できないなら、失敗したときの被害が小さい方を選んでください。
ノイズを拾いすぎるマイクは、配信のたびに毎回困ります。一方、ノイズに強いマイクを選んで「もっと音質が良ければ」と思う場面は、雑談や歌枠に本腰を入れたくなったときに来ます。前者は今日の問題で、後者は先の話です。
私がダイナミックをすすめる理由は、音が良いからではなく、外したときの損が小さいからです。
買い替えて解決した。ただし、効果は測っていません
結果として、環境音の悩みはほぼ解消しました。ダイナミックに替えてから、ノイズで困る場面はなくなっています。
ただ、この記事を書くにあたって気づいたことがあります。
私は、自分の声が視聴者にどう聞こえているかを確認していません。 アーカイブを聞き直してマイクの音をチェックする、といったことを一度もしていないのです。
つまり「解決した」という実感の根拠は、配信中にノイズを指摘されなくなったことしかありません。
これは、証拠としてはかなり弱いです。というのも、音の問題は、視聴者から指摘が来にくいからです。聞き取りづらい配信があっても、たいていの人は何も言わずに離脱します。わざわざコメントで伝えてくれる人の方が例外です。
指摘が来ないことは、音が良い証拠にはなりません。 私の場合はマイクの特性上ノイズは確実に減っているはずですが、それは理屈であって、実測ではありません。
なので、買い替えを検討している方には、マイク選びとセットでこれをおすすめします。買い替えた後、自分のアーカイブを一度だけでいいので聞き直してください。 私はそれをやっていない側の人間なので、説得力は無いのですが、やっていないからこそ「やった方がいい」とは言えます。
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コンデンサーマイクが向いている人
一方で、以下のような配信スタイルならコンデンサーマイクの方が合っています。
- 雑談メインや歌枠など、声の響きや音質を最優先したい
- ASMRなど、小さな息遣いまで届けたい
- 部屋が静かで、エアコンやPCの音が気にならない
- オーディオインターフェースを購入する予算がある
この4つ目まで揃うなら、コンデンサーで得をする可能性は高いと思います。逆に、1つでも欠けるなら、私と同じ順路(まずダイナミックで基盤を作る)で問題ありません。
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まとめ
- ダイナミックとコンデンサーの違いは、調べればすぐ分かる
- 分からないのは「自分の部屋がどちらか」。しかもそれを判定する方法は、どこにも書かれていない
- 「部屋の環境で選べ」は、一度失敗した人にしか使えない基準
- 判定できないなら、外したときの損が小さい方を選ぶ。配信ではそれがダイナミック
- 買い替えたら、自分のアーカイブを一度聞き直す。指摘が来ないことは、音が良い証拠にならない
マイク選びで止まっている方は、部屋の判定を頑張るより、被害の小さい方から始めてしまうのが早いと思います。

