StreamPotとは|登録して案件を受けたのに、すり合わせは一度も起きませんでした
「企業案件をもらえるのは、登録者が数万人いるような配信者だけ」
そう思っている人に向けて紹介されることが多いのが、StreamPot(ストリームポット)です。私も登録して、実際に報酬が発生するところまで行きました。
ただ、この記事で書きたいのはそこではありません。企業案件の解説記事が必ず並べている3つのこと、条件のすり合わせ・PR表記の判断・二次利用の取り決めが、私の場合はひとつも自分の手元に来なかった、という話です。
しかもそのうちひとつは、規約を読み直したら配信者側の義務でした。
StreamPotとは
株式会社TechnoBlood eSportsが運営する、配信者とスポンサー企業をつなぐプラットフォームです。ポーランドのinStreamlyと業務提携し、2023年6月29日に発表、7月にサービスを開始しています。
対応プラットフォームはTwitchとYouTube。ストリーマー登録者数は2024年3月に1000人を突破し、その後1500人を超えたと発表されています。
登録にあたってフォロワー数や同時視聴者数の下限は公表されていません。 ここは紹介記事に書かれているとおりで、規模の小さい配信者でも入口に立てます。
仕組み|応募して選ばれるのではなく、配信画面に自動で表示される
ここが一番誤解されやすいところです。私自身、使う前は「公開されている案件に応募して、企業に選ばれたら配信で紹介する」ものだと思っていました。
実際は違います。CPV(Cost Per View)型です。
- StreamPotに登録する
- 配信ソフト側にコードを設定する
- 出したいキャンペーンを選ぶ
- 配信すると、画面にスポンサーの画像や動画が自動で表示される
報酬は視聴数に応じて発生します。企業が配信者のプロフィールや実績を審査して選ぶ、という工程はありません。
利用規約に書かれている運用は次のとおりです。
- キャンペーンの表示は10分間隔で、1時間あたり最大6回(運営会社が頻度を変更できるとされています)
- 配信中にキャンペーンの枠が尽きた場合、受け取る報酬は一部のみになる
- 報酬額は月単位で算出され、翌月末にプラットフォーム上で公開される
スポンサーの種類・数・表示頻度は配信者側で設定できるので、出したくないものを外すこともできます。配信の内容そのものに手を入れる必要はありません。
どんな人に向いているか
| こんな人に向いている | 理由 |
|---|---|
| 視聴者数が少ないうちから収益の口を増やしたい | 応募も審査もなく、登録して設定すれば始められる |
| 配信の内容や進行を変えたくない | 紹介トークが要らない。画面に表示が出るだけ |
| 企業案件というものに一度触ってみたい | 報酬が発生するところまでは実際に体験できる |
逆に向いていないのは、企業と直接やり取りする経験を積みたい人です。理由は後半で書きます。
ここからが本題|受けたのに、すり合わせが一度も起きなかった
企業案件の解説記事には、だいたい同じことが書いてあります。
- 条件(報酬・やること・納期)をすり合わせましょう
- PR表記を必ず入れましょう
- 二次利用(アーカイブ・切り抜き・先方の映像利用)の範囲を決めておきましょう
どれも正しい内容だと思います。ただ、私が実際に受けた案件では、この3つがひとつも自分の手元に来ませんでした。
条件のすり合わせは、起きなかった
報酬も、やることも、期間も、すべて決まった状態で並んでいます。配信者がするのは「出す」「出さない」を選ぶことだけです。
交渉する場面がないので、交渉していません。断ったのでも押し切られたのでもなく、決める場面がそもそも存在しませんでした。
PR表記の判断も、こちらには来ない
表示を出すのはStreamPot側です。配信者は文面を書きません。そのため「先方が決めたとおりに出ているのだから、こちらでやることはない」と受け取りやすい作りになっています。
ところが規約には、こう書かれています。
配信上に第三者のブランドコンテンツが流れる旨(例:「プロモーションを含む」または類似の表示)を明示する必要があります
そしてこの設定は、配信者が各プラットフォーム上で自分で行う責任があると明記されています。TwitchにもYouTubeにも、その配信が広告を含むことを示す設定があります。
自動表示型の落とし穴はここだと思います。表示をサービスが出してくれるぶん、配信者の側に「いま自分は広告を流している」という自覚が生まれにくい。 判断する場面が来ないので、義務があること自体を見落としやすくなります。
一般的な解説記事の「PR表記は必ず行いましょう」という一文は、表記するかどうかを判断する場面があることを前提にしています。自動表示型では、その前提が成り立ちません。使い始めたら、プラットフォーム側の設定は自分で確認してください。 ここだけは、サービスの側が代わりにやってはくれません。
二次利用は、話題にすら上がらなかった
アーカイブを残していいのか。切り抜きに広告表示が映り込んでも問題ないのか。先方が配信の映像を使うことがあるのか。
どれも話題に上がらないまま終わりました。 確認しなかったのではなく、確認する相手がいませんでした。
規約では、配信で作られたコンテンツについて、所有権・肖像権・プライバシー・著作権に関する責任は利用者(配信者)が負うと定められています。つまり取り決めが無いのではなく、最初から全部こちら側にあります。
報酬は、振込額しか見ていない
CPV型なので、視聴数によって額が変わります。規約上は月単位で算出されて翌月末に公開されるので、内訳を見ようと思えば見られます。
私は振込額しか見ていません。 どのキャンペーンでいくら出たのか、枠が尽きて部分報酬になった月があるのかも把握していません。
「案件経験あり」は、直案件の準備にはならない
ここまでを整理すると、私は確かに「企業案件を受けた配信者」です。報酬も発生しました。
ただ、企業案件で本来やるべきことを、ひとつも経験していません。
- 条件を詰める経験 → していない
- PR表記をどこにどう書くか判断する経験 → していない
- 二次利用の範囲を決める経験 → していない
なので、次にメールで直接の打診が来たとき、私の側に準備はありません。自動表示型で積んだ実績は、そこには効きません。
これは自動表示型が悪いという話ではありません。入口としては優秀です。 審査がなく、配信の内容を変える必要もない。ただ、入口を通ったことと、次の扉を開けられることは別だと、先に知っておくべきでした。
直案件が来たときに何を確認するか
そこで、受ける前に確認しておくことを1画面にまとめたツールを用意しました。
- 企業案件 受注チェック&PR表記メーカー: https://www.chapilab.com/tools/sponsored-deal-kit
この記事の文脈で効くのは2点です。
1つ目は、確認できていない項目が「未確認」として残ること。 二次利用・アーカイブ・切り抜きの可否は、聞けていないうちは未確認のままにしておけます。ステータスが受注確定なのに未確認が残っていると警告が出るので、話題に上がらないまま終わるという私の失敗を、機械の側が止めてくれます。
2つ目は、PR表記を4か所ぶん生成できること。 配信タイトル・概要欄・固定コメント・SNS告知は、それぞれ置き場所も長さの制約も違います。自分で書いた文に表記が入っているか、他の文章に埋もれていないかも点検できます。
手取りを見ていない件について
報酬の内訳を追っていなかった件は、こちらです。
- 配信収益ダッシュボード: https://www.chapilab.com/tools/revenue
対象月・プラットフォーム・収益種別・金額を入れると、種別ごとの手数料率が自動で当たって手取り額が出ます。年間サマリーとCSV出力もあるので、確定申告のときにしか見ていない人でも、そのタイミングで入力していけば翌年から月別推移が残ります。
どちらもブラウザ内(localStorage)だけにデータが残り、外部には送信されません。無料で、登録も不要です。
まとめ
StreamPotは、視聴者数が少なくても収益の口をひとつ増やせるサービスです。応募も審査もなく、配信の内容を変える必要もありません。そこは紹介記事に書かれているとおりでした。
そのうえで、実際に使って分かったことは次の3点です。
- 交渉はない。 条件は決まっていて、こちらは選ぶだけ
- PR表記の義務は配信者側に残る。 表示はサービスが出すが、プラットフォーム側の設定は自分で行う必要がある
- 権利の責任もこちら側にある。 取り決めが無いのではなく、最初から全部こちらにある
そして、ここで積んだ実績は直案件の準備にはなりません。 入口として使いながら、直接の話が来たときのために別で用意しておくのが安全です。
使い始める方は、プラットフォーム側のPR表記の設定を確認するところからにしてください。サービスが表示を出してくれるので忘れがちですが、そこだけは配信者の手元に残っています。
