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配信について

OBSの音量バランス|黄金比より先に「自分に聞こえている音」を疑う

OBSの音量バランス|黄金比より先に「自分に聞こえている音」を疑う

OBSの音量バランス|黄金比より先に「自分に聞こえている音」を疑う

「自分のアーカイブを見返したら、ゲーム音がデカすぎて何を喋ってるか全然聞こえなかった…」 「リスナーさんに『声小さいよ』って言われたけど、どう調整すればいいのか分からない!」

配信を始めたばかりの頃に誰もがぶつかる壁、それが「音量バランスの調整」です。

実は、配信のクオリティを最も左右するのは画質ではなく「音質」です。映像が少しカクついていても視聴者は意外と許容してくれますが、「音がうるさすぎる」「声が聞こえない」「音が割れている」配信からは、視聴者は開始数秒で離脱してしまいます。

この記事では前半で、OBS Studioの音量バランスの黄金比と音声フィルターの基本設定を解説します。そして後半で、実際に配信していて一番怖かったのは比率のズレではなかった、という話を書きます。


徹底解説!音量バランスの「黄金比」

配信における主な音は「マイク(自分の声)」「ゲーム音」「BGM」の3つです。 これらをOBSの音声ミキサーで見ながら、以下の比率(メーターの位置)になるように調整するのが、最も聞きやすいとされる黄金比です。

黄金比: マイク > ゲーム音 > BGM

具体的なOBSのメーター(緑・黄・赤のバー)の動く位置で説明します。

  1. マイク音量(主役)

    • 目標値: 普段通りに喋った時に、メーターが「黄色の真ん中〜赤色の手前(-10dB 〜 -5dB付近)」を行き来するくらい。
    • 視聴者が一番聞きたいのはあなたの声です。どんな時でも声が一番大きく聞こえるように設定します。
  2. ゲーム音(脇役)

    • 目標値: ゲーム内の銃声や爆発音などの一番大きな音が鳴った時に、メーターが「緑色の上の方〜黄色の入り口付近(-20dB 〜 -15dB付近)」に収まるくらい。
    • ゲーム音はあくまで「臨場感を出すためのBGM」です。声の邪魔にならないレベルまでしっかり下げましょう。
  3. BGM・Discordの通話音(背景)

    • 目標値: メーターが「緑色の真ん中より下(-30dB 〜 -25dB付近)」をうろつくくらい。
    • BGMは「なんとなく鳴っているな」くらいが丁度いいです。大きすぎると視聴者は疲れてしまいます。

【要注意】絶対に「赤色の一番右側」まで振り切らせない! 大声を出した時などに、メーターが一番右まで到達して張り付いてしまう状態を「クリッピング(音割れ)」と呼びます。視聴者の耳をつんざく非常に不快なノイズになるため、絶対に赤の限界までは行かないように全体の音量やマイクのゲインを下げてください。


さらに聞きやすく!OBSの音声フィルター3選

OBSには、元々の音をさらに聞きやすく加工してくれる「音声フィルター」という機能が備わっています。 マイクの音声ミキサーの右下にある「︙(設定アイコン)」から「フィルタ」を開き、左下の「+」ボタンから以下の3つを追加するだけで、環境がかなり改善します。

1. ノイズ抑制(絶対にオン!)

【効果】 エアコンの音、PCのファン音、遠くの車の音などの「ザーッ」という持続的な環境ノイズを消してくれます。 【設定】 追加するだけでOK。PCスペックに余裕があれば、方式を「RNNoise(より高品質)」に設定するとさらに綺麗に消えます。キーボードの打鍵音などもかなり小さくなります。

2. コンプレッサー(声の大小を整える)

【効果】 小さな声を基準まで持ち上げ、逆に突然の大声(叫び声など)は自動的にキュッと抑え込んでくれます。声の大きさが均一になり、視聴者を驚かせる事故を防ぎます。 【設定】 とりあえず追加して、デフォルト設定のままでも十分効果を発揮します。「比率」や「しきい値」をいじるとさらに自分好みに微調整できますが、まずはデフォルトでお試しください。

3. リミッター(音割れを防ぐ)

【効果】 「これ以上の音量は絶対に出させない」という上限を作ってくれるフィルターです。ホラーゲームで絶叫しても、視聴者の耳を破壊せずに済みます。 【設定】 コンプレッサーの下(フィルタの最後)に追加し、しきい値を「-3.00 dB」〜「-1.00 dB」あたりに設定しておけば、物理的な音割れを防ぐことができます。


ここから先は、実際に配信して分かったことです

ここまでが一般的なセオリーです。ここからは、自分で配信していて実際に踏んだ話を書きます。

先に結論を書くと、音量調整で一番厄介なのは比率ではありませんでした。 「自分に聞こえている音」と「配信に乗っている音」が、そもそも別物だったことです。

音の問題は、視聴者が指摘してくれません

まず、この記事を含めた多くの解説記事が前提にしていることを、正直に否定しておきます。

「配信の冒頭でリスナーに『音のバランスどうかな?』と聞くのが一番の正解」という話があります。私もそう書かれた記事を読んでいました。実際にやることもあります。

ただ、やってみた実感としては、視聴者は音についてあまり指摘してくれません。

指摘されたことがないわけではありません。「ゲーム音が大きい」「声が小さくて聞こえない」「ノイズが乗っている」は、いずれも言われた経験があります。それでも全体の傾向としては、音の問題は指摘されないまま進みます。

理由は推測でしかありませんが、思い当たるところはあります。音が聞き取りにくい配信に対して、視聴者が取る行動は「指摘」ではなく「離脱」だからです。わざわざ「音が悪いですよ」と伝えてくれるのは、既に何度も来てくれている人だけです。つまり一番指摘してほしい立ち上げ初期ほど、指摘は来ません。

なので、音は自分で気づくしかありません。 リスナーに聞くのは有効な手段ですが、「何も言われていない」は「問題がない」の証拠にはなりません。ここを取り違えると、いつまでも直りません。

一番怖いのは、聞こえている音と乗っている音が違うこと

自分で気づくしかない、と書きましたが、実は自分でも気づけない種類のトラブルがあります。それがモニター(自分の耳に届く音)と、配信に出力される音が別系統になっていることです。

具体的には、2方向の事故が起きます。

1つ目は、配信には乗っているのに自分には聞こえていないパターン。 これが一番怖いです。自分の環境では何も問題が起きていないので、気づく手がかりが存在しません。 前の節で書いたとおり視聴者は指摘してくれないので、そのまま配信が終わります。

2つ目は、自分には聞こえているのに視聴者には乗っていないパターン。 BGMが流れていない、効果音が届いていない、といった形で出ます。ただしこちらは意図的にそうしている場合もあります。 自分のモニター用にだけ鳴らしておきたい音(通知音、確認用のアラート、コラボ相手の音声の一部など)は、むしろ乗せない方が正しい。

つまり「聞こえている音と乗っている音が違う」こと自体は異常ではありません。 問題なのは、どちらがどうなっているかを自分で把握していない状態です。

黄金比の話は「自分と視聴者が同じ音を聞いている」ことが大前提です。その前提が崩れていると、比率をどれだけ丁寧に合わせても意味がありません。 順番としては、まず何が乗っているかを確認して、それから比率です。

音の調整場所は、OBSだけではありません

もう一つ、記事どおりにOBSのフィルターだけを触っていて詰まった点があります。

音を加工できる場所は、OBSの他にもあります。 私が実際に触っているのは、ざっくり3層です。

  1. マイクやオーディオインターフェース本体の設定(ゲイン、本体側のノイズ処理)
  2. メーカー製の専用ソフト(Wave Link のような音声管理ソフト。デバイス固有のフィルターやチューニング)
  3. OBSの音声フィルター(上で解説した3つ)

これを知らないと、「OBSでノイズ抑制を入れたのに効いていない」「なぜか音が変わらない」という状態になります。上流で既に処理されている音が来ているからです。

逆の事故もあります。同じ処理を2箇所でかけると二重にかかります。 ノイズ抑制を本体側とOBS側の両方で強くかけると、声のほうまで削れてこもった音になります。私が最終的に落ち着いたのは、「どこか1箇所でやる」と決めることでした。

自分の耳では分からない。だから録音して確認する

音量調整で一番面倒なのはどこか、と聞かれたら、私は迷わず「自分の耳では分からないこと」と答えます。

配信中、こちらはヘッドホンで聞いています。ヘッドホンは低音も高音もよく出るので、だいたい良く聞こえます。 視聴者はスマホのスピーカーで聞いているかもしれません。作業しながら小さい音量で流しているかもしれません。同じ音源でも、環境が違えば結論が変わります。

結局のところ、確実な方法は原始的です。

  • 配信前にテスト録画を撮り、自分で聞き返す(普段の声量で喋り、ゲーム音も鳴らした状態で)
  • 聞き返す環境を、ヘッドホン以外にもう1つ用意する(スマホのスピーカーが手軽で、視聴者環境に近い)
  • アーカイブが残るなら、後日でいいので一度は通しで聞く

面倒です。実際、私も毎回はやっていません。それでも「自分の耳で判断しない」という一点だけは、覚えておく価値があります。

決まったら、二度と触らない

最後に、現在の私の運用を書いておきます。設定を固定して、触っていません。

音量バランスは「配信のたびに調整するもの」と思われがちですが、実際には一度きちんと決めてしまえば、あとはそのまま使えます。 マイクの位置も、機材も、部屋も、毎回変わるわけではないからです。

これは前に書いた初心者配信者の10の失敗の記事とも重なります。一度直せば結果が残る失敗は、意識すれば直せます。 音の設定はまさにこの型で、最初に時間をかける価値が一番大きい領域です。

逆に言えば、毎回微調整している状態は、まだ決まっていないということでもあります。テスト録画で納得できる形を1回作って、そこで固定してしまうのを勧めます。


音が出ない、乗っていないときの調べ方

「音が乗っていない」「マイクが入らない」といった症状は、原因の候補が多くて切り分けが面倒です。デバイスの選択、ミュート、フィルターのかけすぎ、アプリ側の出力先、権限設定と、どこでも起こります。

そのたびに検索して回るのが面倒だったので、配信トラブル診断という切り分け用のツールを作りました。

症状を選んで Yes/No に答えていくと、原因の候補が絞り込まれて解決手順にたどり着きます。音声・映像・配信接続・OBS設定・コメントの5カテゴリで、50以上の解決策を収録しています。配信直前に慌てて調べる状況を想定して作ったので、最短で手順に届くようにしてあります。

無料で、登録も不要です。提示される手順は一般的なものなので、OBSや各プラットフォームの仕様変更で画面が異なる場合はご容赦ください。


まとめ|順番は「乗っているか」→「比率」→「固定」

音量設定に100点満点の正解はありません。ただ、手を付ける順番には正解があります。

  1. まず、何が配信に乗っているかを確認する。 自分に聞こえている音と乗っている音は別系統です
  2. 次に、比率を合わせる。 マイク > ゲーム音 > BGM の黄金比が基準になります
  3. 加工は1箇所に決める。 本体・専用ソフト・OBSで二重にかけない
  4. 判断は自分の耳でしない。 テスト録画を、ヘッドホン以外でも聞き返す
  5. 納得できたら固定する。 毎回いじらない

そして繰り返しになりますが、視聴者は音について指摘してくれません。 何も言われていないことを、上手くいっている証拠にしないでください。ここに気づけるかどうかが、一番大きな差になります。

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