TwitchTrackerの使い方|数字は残る。残らないのは「その日、何をしたか」
「配信しているのになぜか伸びない…もう何ヶ月も同じように配信しているのに、視聴者数はずっと変わらない。」 「どこを改善すれば視聴者が増えるのか、感覚では全然分からない…。」
頑張れば頑張るほど、こういう「暗中模索」の状態は辛くなります。 そこで活用したいのが TwitchTracker。Twitchの公開データをもとに、あなたのチャンネルの傾向を「数字」で見える化してくれる無料の分析サービスです。
この記事では前半で使い方を解説します。そして後半で、私自身は見て終わっているという正直な話と、その原因について書きます。
TwitchTrackerで確認できる主なデータ
TwitchTracker(twitchtracker.com)にアクセスして、検索バーに自分のチャンネル名を入力すると以下の情報が表示されます。
- 平均同時視聴者数(Average Viewers): 配信全体を通じた平均の視聴者数
- ピーク視聴者数(Peak Viewers): これまでの最多同時接続者数
- フォロワー数の推移: フォロワーが増えた時期・減った時期
- 配信時間・配信頻度の傾向: どの曜日・時間帯に多く配信しているか
- Streams(過去配信一覧): 過去の各配信回ごとの視聴者数
アカウント登録は不要で、公開データを見るだけなら誰のチャンネルでも検索できます。
実際にどう活用するか?3つのステップ
ステップ1:「伸びた回」を3つ見つける
Streamsタブを開き、過去の配信一覧を見てください。 視聴者数が多かった回(いつもより2倍以上ある回など)を3回ピックアップします。
ステップ2:その「伸びた回」の共通点を探す
3回の伸びた配信に共通している要因は何でしょうか?
- 曜日: 土曜日の夕方に多い?
- ゲームタイトル: コラボ回や新作ゲーム初見プレイの時?
- 開始時間: 21時スタートの時?
共通点を1〜2個でも言語化できれば十分です。
ステップ3:次の配信を「伸びた回」に近づける
分かった共通点を再現してみましょう。「コラボ配信が伸びている」なら他の配信者に声をかけてみる。「21時スタートだと視聴者が多い」なら、配信開始時間を21時に固定する。といった具体的なアクションにつなげます。
競合分析の正しい使い方
TwitchTrackerでは他のチャンネルのデータも閲覧できますが、「競合の真似をする」のが目的ではありません。
例えば同じゲームで配信している大型配信者の「配信時間帯」を見て、自分が被らない時間帯に配信することで視聴者の取り合いを避けるという「ポジション戦略」として活用するのがスマートです。
TwitchのゲームカテゴリのAPIデータも集計されているため、「今どのゲームが視聴者数を集めているか」も確認でき、次にプレイするゲーム選びの参考になります。
見ておくべき2つの重要指標
| 指標 | 何が分かる? |
|---|---|
| 平均視聴者数の推移 | 配信全体の基礎体力が上がっているか横ばいかを判断できる |
| フォロワー増加のタイミング | どんな配信をした時に新規フォロワーが増えたかを特定できる |
ここから先は、実際にやってみた話です
ここまでが一般的な使い方です。ここからは正直に書きます。
私はTwitchTrackerを不定期に見ています。そして、見て終わっています。
数字を見て実際に行動を変えたか、と聞かれると、変えたことがありません。 配信時間も、ゲームの選び方も、データを根拠に決めたことはありません。上のステップ1から3を、自分で最後まで回したことがないのです。
分析ツールの解説記事で書くことではないかもしれませんが、同じ状態の方は多いと思うので、原因まで含めて書きます。
続かない理由は、分析力ではなく時間でした
なぜ見て終わるのか。自分の場合は理由がはっきりしていて、分析に充てる時間がないからです。
数字の読み方が分からないわけではありません。ステップ2の「共通点を探す」も、やろうと思えばできます。ただ、それをやる時間が配信の前後に存在しません。
配信前は準備で埋まります。配信後は疲れています。この記事で紹介した3ステップは、まとまった時間を確保して腰を据えて向き合うことが前提になっていますが、その時間がどこにも無い、というのが実態でした。
念のため書いておくと、これは人によります。数字を見ると落ち込むから避けている方もいるでしょうし、母数が小さすぎて差が偶然なのか判断できない、という方もいるはずです。自分の場合は時間でした。
TwitchTrackerには「その日、何をしたか」が残りません
そしてもう一つ、時間があっても詰まるポイントに気づきました。
TwitchTrackerに残るのは、結果の数字だけです。
いつ配信したか、何人来たか、何のゲームだったか。ここまでは残ります。しかしその日、自分が何をしたかは、どこにも残りません。
- 告知をいつもより早く出した
- サムネイルを作り直した
- 配信の冒頭で今日やることを説明した
- 別の配信者に触れてもらった
- 体調が良くてよく喋れた
伸びた回の原因は、こういう打ち手の側にあることが多いはずです。ところがTwitchTrackerが持っているのは曜日・時間・タイトルだけなので、ステップ2の「共通点を探す」が、実質的に実行できません。
分かるのは「土曜の21時が多い」までです。そこから先の「その日、自分は何をしたのか」は、記録していない限り、思い出せません。
頭の中の振り返りは、翌週には消えています
私の配信後の振り返りは、頭の中だけです。メモも記録も残していません。
配信直後は、それなりに考えています。「今日は序盤が固かったな」「あの話は伸びたな」と思っています。その時点では、確かに振り返っています。
問題は、それが次の配信までに消えていることです。1週間後、TwitchTrackerを開いて「この回は伸びているな」と気づいても、その日に何をしたのか、もう思い出せません。 データはあるのに、突き合わせる相手がいない状態です。
ここが分かってから、順番が逆だったと気づきました。私に足りていなかったのは分析ではなく、記録でした。
数字の方はTwitchTrackerが勝手に残してくれます。放っておいても消えません。消えるのは打ち手の方だけです。だとすれば、先に手を付けるべきは記録の側です。
分析の前に、3分の記録から始める
というわけで、分析の手前にある「記録」を軽くするためのツールを作りました。配信振り返りノートです。
配信後に3分で、良かった点・改善したい点・視聴者の反応・次回試すことの4項目を書くだけです。全項目が任意入力なので、疲れている日は1行でも構いません。「今日どうだったかな」と思うだけで終わってしまう状態から、1段だけ進めるのが狙いです。
- 配信振り返りノート: https://www.chapilab.com/tools/review-note
TwitchTrackerと組み合わせるうえで効くのは、次の2点です。
1つ目は、前回書いた「次回試すこと」が宿題として自動で出てくること。 思いついた改善が次の配信までに消える問題に、直接効きます。
2つ目は、アナリティクスの数値を書き写せること。 最大同接・平均同接・視聴回数・新規登録など8指標を転記すると、前回との差分が自動で出ます。つまり、「この日は何をしたか」と「その日の数字」が同じ場所に並びます。 伸びた回の共通点を探せるようになるのは、ここからです。
数値は各プラットフォームの管理画面からの手動転記で、API連携はありません。データはブラウザ内に保存されるので、定期的にJSONでバックアップを取ってください。無料で、登録は不要です。
正直に書いておくと、これを使えば必ず伸びるという話ではありません。 ただ、記録が無い状態では分析のしようがないので、始めるならここからだと考えています。
まとめ|順番は「記録」→「数字」→「分析」
TwitchTrackerは、配信の「なんとなく」を数字にしてくれる便利なツールです。ただ、数字だけでは改善に届きません。
- まず、配信後に3分の記録を残す。 消えるのは数字ではなく、自分の打ち手の方です
- 次に、TwitchTrackerで数字を確認する。 平均視聴者数とピーク視聴者数、伸びた回を3つ
- その2つを突き合わせて、初めて共通点が見える。 どちらか片方では判断できません
分析が続かないのは、能力の問題ではありません。私の場合は単純に時間でした。時間が無いなら、時間が要らないところから始める。 3分の記録は、その入り口として現実的な選択だと思っています。
