OBSとStreamlabsの比較|Streamlabsを使っていないので、代わりにOBSで払った代償を書きます
ゲーム実況、雑談、お絵かき配信。 いざライブ配信を始めようと決意し、機材も揃えた。さあ次に必要なのはPCから映像を送り出す「配信ソフト」です。
しかし、ここで多くの初心者が立ち止まります。 「調べると絶対に出てくる『OBS』ってやつと、『Streamlabs』っていう緑色のやつ…結局どっちを使えばいいの?」
この記事では前半で両者の違いを整理します。そして後半で、私はStreamlabsを使ったことがないので比較はできないという正直な話と、その代わりにOBSを選んで払った代償を4つ書きます。
結論から言うと:「やりたい事」で正解は変わる
細かい機能比較に入る前に、結論からお伝えします。
🔹 「とにかく今すぐ、簡単に、おしゃれな配信を始めたい!」 ➡ Streamlabs Desktop がおすすめです。
🔹 「細部までこだわりたい!将来的に色々な機材や演出を組み合わせたい!」 ➡ OBS Studio がおすすめです。
どちらもベースとなっているプログラム(コア部分)は同じなので、基本的な「画面を映して配信する」「録画する」という画質・音質のスペックに致命的な差はありません。 違いは「使いやすさ(手軽さ)」と「拡張性(自由度)」のバランスにあります。
OBS Studio|圧倒的な自由度と軽さを誇る「王道」

「OBS Studio」は、世界で最も使われているオープンソースの超定番配信ソフトです。 有名ストリーマーの多くがこの「無印のOBS」を使用しています。
メリット:プロ級の拡張性と動作の軽さ
- 無限のカスタマイズ性(プラグインの豊富さ) OBS最大の強みは、有志が作成した無数の「プラグイン(拡張機能)」を使えることです。「立ち絵を喋るように動かしたい」「BGMの曲名を表示させたい」「コメントにエフェクトをかけたい」など、やりたいと思った機能の多くは実現可能です。
- 動作が軽く、環境を選ばない 余計な機能が最初から入っていないため、PCへの負荷(CPU/メモリ使用量)が低く抑えられます。スペックに不安があるPCでも安定して動作します。
- Mac / Linuxにも対応 Windowsだけでなく、Apple SiliconのMacユーザーでも問題なく利用できるのは大きなメリットです。
デメリット:最初は「真っ黒なキャンバス」
- 初期設定のハードルが高い インストール直後は、本当に何もない「真っ暗な画面」が表示されます。そこからゲーム画面をキャプチャし、マイクを設定し、コメント欄のURLをブラウザソースとして読み込んで…と、一つひとつの仕組みを理解して自分で組み立てる必要があります。(プラモデルを一から作る感覚に似ています)
Streamlabs Desktop|オールインワンの「親切な案内人」
「Streamlabs Desktop(旧:Streamlabs OBS)」は、上記のOBSをベースにして、配信支援サービスであるStreamlabs社が「初心者向けに超使いやすく改造した」ソフトです。
メリット:インストールして5分で「映える」配信画面
- 直感的で分かりやすい操作画面 デザインが洗練されており、どこに何があるかが直感的に分かります。
- 最初から全てが揃っているオールインワン TwitchやYouTubeのアカウントでログインするだけで、チャットボックス(コメント表示)、チャンネル登録が来た時のポップアップ通知(アラート)、目標フォロワー数のバーなどが、最初からソフト内に組み込まれています。外部サイトからURLをコピーしてくる設定作業が不要です。
- 高品質なオーバーレイ(デザイン枠)が使える プロが作ったようなゲーム配信用の「画面デザイン枠(オーバーレイ)」を、テーマストアから選んで適用できます。
デメリット:PCスペックへの負担とカスタマイズの限界
- 動作がやや重い 便利な機能が最初から大量に盛り込まれている分、無印のOBS Studioに比べるとPCへの負荷(特にCPU使用率)が高くなりがちです。
- プラグインが自由に入れられない OBS Studio用のマニアックな拡張プラグインは、Streamlabsでは動かないことが多いです。「海外で見つけたあの面白い演出を導入したい!」と思っても、システム上制限されてしまうことがあります。
比較表で見る!あなたに合うのはどっち?
どちらを選ぶべきか、主要なポイントをまとめました。
| 比較ポイント | OBS Studio(無印) | Streamlabs Desktop |
|---|---|---|
| 手軽さ・初期設定 | △(学習が必要) | ◎(超簡単・直感的) |
| 動作の軽さ | ◎(非常に軽い) | △(やや重め) |
| デザイン・連携 | 自分で外部ツールを設定 | 内蔵テーマで即完成 |
| 拡張性(プラグイン) | ◎(無限大) | △(非対応が多い) |
| 対応OS | Win / Mac / Linux | Windows / Mac |
費用について(2026年時点の追記)
どちらのソフトも完全無料です。合わなければ乗り換えればいいだけです。
→ Streamlabs には有料プラン「Streamlabs Ultra」があります。 2026年時点で月額$27、年払いだと$189です。
無料のままでも配信そのものはできますが、無料と有料で線が引かれている箇所があります。 たとえば同時配信(マルチストリーム)は、無料だと Dual Output で「横向き1つ+縦向き1つ」まで。3か所以上、あるいは同じ向きへ複数同時に流すには Ultra が必要です。ほかにテーマの全ライブラリ、クリップ編集の透かし除去などが Ultra 側にあります。
一方の OBS Studio はオープンソースで、有料プランという概念自体がありません。
「どちらも無料だから気軽に試せる」というのは、今も半分は本当です。ただ「無料のままどこまでいけるか」には差があるので、先に知っておいた方がいいポイントとして残しておきます。
ここから先は、実際に使ってみた話です
ここまでが一般的な比較です。ここからは正直に書きます。
私はStreamlabsを使ったことがありません。最初からOBS一本です。
比較記事の後半でこれを書くのは気が引けるのですが、使っていないものを「重いです」「不便です」と書くわけにはいかないので、はっきりさせておきます。上の比較表は一般に言われている内容の整理であって、私の体験ではありません。
その代わりに書けることがあります。OBSを選んだ結果、実際に何を払ったかです。
4つ全部来ました
配信ソフトでつまずくポイントとしてよく挙がるのは、だいたい次の4つです。
- 初期設定・画面作り
- 重さ・カクカク
- 音声周り
- プラグイン・連携
自分の場合、この4つ全部で苦労しました。 どれか1つで済んだ、ということはありません。「OBSは初期設定が大変」とよく言われますが、実感としては初期設定を越えた後にも同じ数だけ壁がある、という感覚です。
順に書きます。
1. 初期設定と画面作り:終わりが見えない
「真っ暗な画面から組み立てる」という説明は、正確ではあるのですが、やってみると想像より終わりが遠いです。
ゲーム画面を出す、マイクを繋ぐ、ここまでは解説記事のとおりに進みます。問題はその先で、「他の配信者の画面と比べて何かが足りない」状態が延々と続くことです。枠を付ける、コメントを出す、通知を出す、シーンを分ける。ひとつ足すたびに調べ直しになります。
Streamlabsの「最初から入っている」が刺さるのは、まさにここだと思います。私は入っていない側を選んだので、ここに一番時間を使いました。
2. 重さ:軽いはずのソフトで重くなる
「OBSは軽い」は、OBS単体の話です。
実際の配信では、そこにゲームが乗り、ブラウザソースが乗り、読み上げが乗り、録画が乗ります。OBSが軽くても全部足すと重くなります。 そして重くなったとき、原因がOBSなのかゲームなのか他の何かなのかが、すぐには分かりません。
「軽いソフトを選んだから大丈夫」とは、残念ながらなりませんでした。
3. 音声周り:これが一番きつかった
4つの中で、いちばん時間を取られたのが音声です。
理由は単純で、音のトラブルは自分では気づけないからです。画面が映っていないのはすぐ分かります。カクついているのも分かります。しかし「配信に乗っている音」は自分には聞こえません。
ここは1本の記事として別に書いたので、詳しくはそちらを読んでください。
要点だけ書くと、聞こえている音と配信に乗る音は別系統です。この構造を理解する前は、何を直しても勘で直している状態でした。
4. プラグインと連携:自由の代金
OBSの強みとして挙げられる「プラグインが無限に入る」は事実です。ただ、これは「入れれば動く」という意味ではありません。
バージョンが合わない、他のプラグインと干渉する、OBSの更新で動かなくなる。自由に組める代わりに、組んだものの面倒を自分で見る必要があります。 Streamlabsの「プラグインが入れられない」というデメリットは、裏返すと「壊れる要素が少ない」でもあるはずです。
それでもOBSを選んで後悔しているか
していません。ただし、「悩んだらまずStreamlabs」という一般的な結論を否定する材料も、私は持っていません。
言えるのは次のことです。
OBSを選んでも大丈夫です。ただし、上の4つは必ず来ます。 「初期設定さえ越えれば楽になる」ではなく、初期設定は4つのうちの1つめにすぎない、という前提で始めた方が、心が折れにくいと思います。
そして4つのうち3つは、起きてから対処すれば間に合います。 先に全部を勉強しておく必要はありません。
詰まったときに、検索して回らずに済ませる
というわけで、配信中に起きるトラブルを症状から逆引きするツールを作りました。配信トラブル診断です。
音声・映像・配信接続・OBS設定・コメントの5カテゴリから症状を選び、Yes/No で答えていくと解決手順にたどり着きます。原因が分からなくても症状から入れるのが狙いです。よくあるトラブルTOP5へのショートカットもあるので、配信中で急いでいるときはそこから入れます。
上に書いた4つのうち、「重い」「音が出ない」「画面が真っ黒」「コメントが表示されない」あたりは、この診断でだいたい入口までは行けます。 逆に、初期設定の「何を足せば形になるのか」はツールの範囲外です。そこは記事を読んで手を動かすしかありません。
診断結果はブラウザに保存されるので、同じトラブルが再発したときにすぐ参照できます。登録不要・無料です。
なお、提示される手順は一般的なものです。OBSや各プラットフォームの仕様変更で通らなくなる場合があります。
まとめ|比べるより、詰まる場所を知っておく
- どちらを選んでも配信はできます。 画質・音質のコア部分は同じです
- Streamlabsは「最初から入っている」が強い。 私が一番時間を使った初期設定を短縮できます
- OBSは自由な代わりに、自分で面倒を見る必要があります。 初期設定・重さ・音声・プラグインの4つは、順番に来ます
- 費用は完全に同じではありません。 Streamlabsには有料のUltraがあり、無料のままだと配信先の数などに制限があります
私はStreamlabsを使っていないので、乗り換えを勧めることも止めることもできません。ただ、OBSを選んだ場合に何が待っているかは、上の4つで正直に書いたつもりです。
