配信をしていると、ある日いきなり英語のコメントが流れてきます。
しかも大抵、いちばん盛り上がっている場面で来ます。ゲームの操作をしながら、読めない文字列を目で追って、翻訳サイトに貼り付ける余裕はありません。結局「ありがとう!」とだけ返して流してしまい、あとで翻訳して読んだら普通に良い質問だった、ということが起きます。
英語が話せるようになるのがいちばんの解決ですが、それは今日は無理です。この記事では、英語が話せないまま海外コメントに対応できる状態を作る準備を3つに絞って紹介します。
準備の順番には意味があります。
- 読めるようにする(何を言われたか分かる)
- 返せるようにする(返事を用意しておく)
- 弾けるようにする(対応しなくていいものを見分ける)
この順で整えると、配信中に判断することがほとんどなくなります。
1. 読めるようにする
まず何を言われたか分からないと始まりません。
コメントを目で追って翻訳する方式は、配信中には向いていません。ゲームや雑談をしながら視線を外す時間がないからです。耳で入ってくる形にするのが現実的です。
Chapi Voice Ensemble は、コメントを読み上げるツールです。海外コメントは自動で翻訳してから日本語で読み上げるので、英語のまま流れてきても内容が耳に入ります。
読み上げ系のツール自体は昔からありますが、このツールはコメントした人ごとに違う声を自動で割り当てるようにしています。全部同じ声だと誰の発言か分からなくなるためです。結果として、大勢でわいわい話しているような音になります。
インストールは不要で、OBS にブラウザソースとして貼るだけで動きます。
補足: 翻訳は完璧ではありません。スラングや略語は変な訳になることがあります。「だいたい何の話か分かる」程度に捉えて、細かいところはコメントの雰囲気で補うくらいがちょうどいいです。
2. 返せるようにする
内容が分かっても、返す言葉が出てこなければ止まります。
ここで大事なのは、その場で英作文しないことです。配信中に文法を考える余裕はありません。よく使う場面の返事を、あらかじめ用意しておきます。
配信用多言語フレーズ集 は、配信でよく起きる8つの場面ぶん、44フレーズをまとめたものです。英語・中国語・韓国語・スペイン語に対応しています。
このツールで大事にしたのはカナ読みを振ってあることです。テキストをコピーしてコメント欄に貼るだけなら翻訳サイトでもできますが、配信では声に出したい場面があります。「Thank you for watching」を見てから発音を考えるのではなく、カナを見てそのまま読めるようにしてあります。
用意されている場面は、配信開始のあいさつ、初見さんへの反応、お礼、配信終了などです。実際に使うのはこのうち2〜3個で、それだけでも「反応してもらえた」という体験は十分作れます。
3. 弾けるようにする
3つ目は、対応しなくていいものを見分ける準備です。
海外からのコメントが増えると、残念ながら荒らしも一定数混ざります。日本語のNGワードだけを設定していると、英語や中国語の荒らしはそのまま通過してしまいます。読み上げツールを使っていると、荒らしのコメントを自分の配信で音声として流してしまうことになります。これは避けたい事態です。
NGワード辞書メーカー は、配信プラットフォームに登録するNGワード辞書をカテゴリ別に一括生成するツールです。生成した辞書をコピーして、YouTube や Twitch のモデレーション設定に貼り付けます。
先に読み上げを導入して、あとから荒らしに気づいて慌てるより、同じ日にまとめて設定しておくほうが安全です。
3点セットの組み合わせ方
3つを個別に使うのではなく、順番に通して使うと効果が出ます。
| 場面 | 使うもの |
|---|---|
| 配信前 | NGワード辞書を登録しておく |
| 配信中(コメントが来た) | 自動翻訳の読み上げで内容を把握 |
| 配信中(返事をする) | フレーズ集からカナ読みを見て声に出す |
配信中に新しく判断することは「返事をするかどうか」だけになります。読む・訳す・弾くは事前に仕込んだ仕組みが処理します。
完璧を目指さないほうがうまくいく
海外対応というと、英語を勉強して、字幕を付けて、翻訳のクオリティを上げて、と考えがちです。ですがリスナー側の期待は、多くの場合そこまで高くありません。
自分のコメントが読まれた、何か返してもらえた。この2つが起きるだけで、また来ようと思ってもらえます。訳が多少ぎこちなくても、発音がカタカナでも、無視されるよりずっと良いはずです。
まずは翻訳読み上げだけ入れてみて、余裕が出たらフレーズ集を開いておく。それくらいの温度感で始めるのがおすすめです。
紹介した3つはすべて無料・登録不要で、入力したデータはブラウザ内にのみ保存されます。ほかのツールは Tools にまとめてあります。
